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Hon-Cafeでは、毎月スペシャルゲストをお呼びしています。
4つのテーマで、毎週1冊づつゲスト愛読の「とびきりの1冊」を教えていただきますので、どうぞお楽しみに・・・!
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■サマンサさん、こと川口葉子さん (「東京カフェマニア」主宰)
第一回のスペシャルゲストは、「カフェ」にちなんで、素敵な方にお越しいただきました!
カフェ好きなら誰もが知る人気サイト、「東京カフェマニア」を主宰されているサマンサさん、こと川口葉子さんです。
サマンサさんの今回のおすすめ本のキーワードは、「旅・散歩」。毎週1冊づつ登場しますので、どうぞ、お楽しみに・・・!
TokyoCafeMania
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●サマンサさんにとって、本とはなんですか? 自由な表現でお答えください。
世界じゅうが自分に背を向けているように感じる夜も、自分にバカと100回言いたい朝も、おいしいコーヒーと本があればとりあえず生きていけます。(でも二日酔いの朝だけは、本さえも救ってくれないんですよね(笑)
●「Hon-Cafe」読者の方に向けて一言をどうぞ
居心地のいいカフェに座って、ひとりで本を読む時間がとても好きです。
昼間から、夏ならビール、春秋はシャンパン、冬はヴァンショー。
そんな「カフェで一人酒(ひとりざけ)推進委員会」活動中です。
会則は「各自勝手に一人で飲むこと」。あなたも今日からいかがですか?
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4週目‥‥サマンサさんが散歩がわりに読む本は? |
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忙しくてゆっくり散歩もできない時期には、ぶらぶら歩きのように進んでいく保坂和志の文章といっしょに時間を過ごします。気のおけない友達の話を聞いているような筆致のさりげない巧みさ、感傷をきらってモノゴトを思考していく道すじ。でも、世界を面白がる彼の視線には、あたたかさとおかしみがたっぷり含まれているのです。
あの人が実はどうしたこうした…という噂話ではなくて、「ねえ、時間が流れるってどういうことだと思う?」といった、らちもない会話につきあってくれる貴重な友達を得た気がする一冊。読んでいると、なにかを愛するとは、ただいっしょに座って時間が流れていくのをじっと感じていることなのだという真理がしみじみと納得できます。
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3週目‥‥サマンサさんが涙してしまった本は? |
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私は百鬼園先生こと内田百けんを小説界における「日本三大頑固じいさん」の一人に数えているのですが、あわせて「日本三大冗談好き」の一人にもノミネートしています。眉ひとつ動かさずに、とんでもなくおかしい冗談を言うヘンクツじいさんを想像してみてください。怖くて「せ、せんせい、今のは洒落ですか?」と聞けないのですが、あとからむやみにおかしくなってしまうような。決して近寄りたくはないけれど、奇行のエピソードは詳しく聞きたいでしょう?
そんな最強じいさん内田百けんが、飼っていた猫が行方不明になったとたんにメロメロの泣き虫に。ノラやノラや…というひたすらな嘆きに、思わずもらい泣きしてしまいます。読んだのは電車の中でした。ぐすぐす。
ちなみに、百けんがそのヘンクツぶりを最大限に発揮したのは『阿房列車』。お金もないのに借金をしてまで電車に乗って遠くへ出かけ、いっさい観光をせずに帰ってくる無意味な旅なのです。どんな旅でも食堂車でビールを飲んでいるだけ。酔っぱらい文学の金字塔です。
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2週目‥‥サマンサさんが最近読んだおすすめ本は? |
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『ねこに未来はない』『深呼吸の必要』などで知られる詩人・長田弘が車でアメリカを横断しながら、その土地で生まれた無名の詩人たちの詩に出会っていく旅。
「地図と一緒に、旅にいつかもちあるくようになったのは、サンフランシスコのパウエル通りの『本』という名の本屋で買った、1冊のペーパーバックの詩集だ。1日の終わり、泊まるのはほとんど、昨日まで知らなかった小さな町だ」
詩は旅になくてはならないもうひとつの地図。地図を読むように詩を読んでいく長田弘の言葉から、未知のアメリカの風景が姿をあらわします。それは人間を寄せつけない原初の風景。霧。落雷。荒野の闇。その清冽さに息をのみます。
そしてまた、旅の時間とは、生きることについてふと考える時間でもあります。
「人生は複雑だ。誰もが、そうおもっている。しかし、ちがう。囚人である一人の詩人は書いている。人生は、なんと単純なものでできていることか。ベッド。叫ぶ人。笑う人。闘う人。街。そして声。キス。忘れることのできない夜。鋪道を歩くこと。たそがれてゆく芝生を横切ること。それが人生だ。いまもおなじだ。トイレから下りる。シーツを掴む。畳む。毛布をひろげる。座る。これが人生だ。人生は、単純なものでできている」
この本を読んで以来、私の胸の底にはいつもひとつの厳しく美しい風景がしんと沈んでいます。
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1週目‥‥サマンサさんおすすめの、元気になれる本は!? |
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知らず知らずに手元に集まっていた散歩や旅の本。その中でもとりわけ手に取る回数の多いのが、「ヌマ伯父さん」こと沼田元氣氏のお散歩指南。写真と文章がぎっしり詰まっていて何度でも楽しめます。
ヌマ伯父さんならではの視点で切り取られた東京の風景は新鮮なレトロフューチャー。いつもの見慣れた街角も、伯父さんのマジックによって愛嬌たっぷりの風景に変わります。
せわしない日常からネジが1本抜け落ちてしまったような、古い喫茶店の洗面所につきものの、きっちり締まらない蛇口のような伯父さん。彼の水漏れしたテンポの散歩につきあっているうちに、世界に対する愛と好奇心を取り戻しているのです。
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雑誌が掲載する最新の東京カフェ情報が短歌の上の句なら、この本は下の句。単なるデータではなく、カフェの椅子に座って本を読みながら長い時間を過ごしてきた人間が感じたカフェの風景を、言葉と写真でとどめておきたいと思いました。
小学生の頃になりたかったのは考古学者。何十年か後に誰かが「あの時、東京のカフェにはどんな風景があったのだろう」と思いながらこの本のページをめくってくれることが最大の野望です。
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初めての一人暮らしで、初めてのお料理に挑戦する人。とまどうことがあっても、すぐに聞ける人がいない。そんなとき、よく行くカフェにちょっと教えてもらえたら…。
あるいは、忙しくても自分の手でごはんを作る時間を大切にしたい人。おなかの鳴る音を聞きながら15分で作れるレシピって何でしょう?
そんなとき、身近なカフェにヒントをもらえたら…。
家にある材料で誰でも簡単に作れるレシピを、あの素敵なカフェたちが丁寧に教えてくれました。
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