2009年ベスト本―たどりつく場所へ―
悩みつつも楽しく、今年もいろいろな本をご紹介させていただきました。締めくくりに2009年のベスト本を挙げますと……。『最終目的地』『日曜日の空は』『ウッドストックがやってくる』の3冊に迷わず決定です。
ピーター・キャメロンの『最終目的地』とアイラ・モーリーの『日曜日の空は』は、今年の9月に「たどりつく場所」というテーマで選びました。南米ウルグアイを舞台にした『最終目的地』は、世捨て人のようにくらす家族の再生を描いた長編小説ですが、好きな作家の新しい作品を久しぶりに読めた喜びも大きかったですね。
『日曜日の空は』の主人公アビーは、作者と同じ南アフリカ出身の女性です。生きる希望を失ったアビーが、生まれ故郷のケープタウンへと戻る旅は、深い感動に満ちています。
そして、今回ご紹介するエリオット・タイバーの自伝『ウッドストックがやってくる』は、今年いちばんの面白さです!悩めるエリオットが最後に「たどりつく場所」を知りたくて夢中で読みました。
3作品に共通なのは、愛の痛み。来年もまた、愛にあふれた素晴らしい本に出会えるのを願っています。
さて、今月の月替わりメニューは、スノーボールクッキー。粉砂糖をまぶしたまるいクッキーは、冬のイメージにぴったりのお菓子です。淡い雪のようなスノーボールが、無償の愛を描いた童話と重なり合います。
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●まっこリ〜ナ Profile
編集者。出版社勤務を経て現在フリーランス。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。趣味は草花園芸、透明な海でのスノーケリング、ヨガ。夢は沖縄に移住してマンゴーの木を植えて暮らすこと。
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