初めて手にした料理本
小学校6年生の秋、いちばん仲の良かった友達が急に転校することになりました。お別れのとき、彼女は私に贈り物をくれました。意外にもそれは料理入門の本で、著者は彼女のお父さんでした。お父さんが有名なお料理の先生であることを私はそのとき初めて知りました。家庭科の調理実習のときにも、彼女はそのことに触れたことがありませんでしたから。
その本は、包丁の使い方から日本料理の作り方までがとてもくわしく丁寧に書かれた本格的なものでした。端正な本を眺めながら、遠くに行ってしまった友達が、急に大人びて感じられたのを覚えています。
さて、今月の月替わりメニューは、ヴィシソワーズ。滋味あふれるスープのような、食にまつわる素敵な本をどうぞ。
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●まっこリ〜ナ Profile
編集者。出版社勤務を経て現在フリーランス。本がくれる愛のチカラを糧に生きる日々。趣味は草花園芸、透明な海でのスノーケリング、ヨガ。夢は沖縄に移住してマンゴーの木を植えて暮らすこと。
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